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平成29年2月に、当院に自動車運転シミュレーターが導入されました。本シミュレーターは、脳疾患などによる後遺症がある患者さんが、自動車運転に関するリハビリ訓練用として使用する者です。導入された自動車運転シミュレーターは、広い運転画面(34インチ3台)、ウィンカー操作、本格的な運転座席、雪道や雨天時・夜間時の走行が体験できるなど、実用性の高い装置です。 当院では、これまでも自動車運転に関する評価やリハビリを行ってきましたが、今回の装置導入によって、実車運転前に、より実際の運転に近い評価や練習が可能となりました。 |
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大型ワイドモニター | 新型ハンドル | 座席シート | ||||||||||||||||||||
34インチの大画面モニター3台を使 用しており、実際の運転に近い広い視 野で練習が行えます |
ウィンカーが両側についており、右手 が使いにくい方は、左手でも操作でき ます |
実際の車のシートに近い座席シートを 使用しています |
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<自動車教習所と連携して実際の運転場面も評価しています> 当院では市内の自動車教習所と連携し、実際に車を運転して運転操作上の問題点や運転上注意すべき点などについて自動車教習所の教官より評価していただいております。 教習所ではリハビリスタッフと自動車教習所の教官同乗のもと、教習所内のコースや市街地の路上を運転します。検査や自動車運転シミュレーターでの評価だけでなく、実際に車を運転し、緊張感がある中で評価することで総合的に判断することができます。 |
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当院では、院内外で自動車運転に関する研修会の開催や研究発表を行っています。 院内では、研究発表や病棟とリハ課での合同勉強会を行っており、平成28年度には、鶴岡警察署より講師を招き、高齢者の自動車運転についての研修会を行いました。多職種が参加し、鶴岡市の交通事故の事例や高齢者の自動車運転における課題について学びました。 院外では、リハビリテーション・ケア合同研究大会や山形県作業療法士学会など、全国や県の学会で、当院の自動車運転支援や運転と高次脳機能検査の関連性について研究発表を行いました。また、自動車運転に関する学会などに参加し、日々、研鑽に励んでいます。
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平成29年3月12日より道路交通法が改正され、75歳以上の運転者は免許更新時の認知機能検査だけでなく、信号無視などの一定の違反行為をした時も臨時認知機能検査を受けることになりました。 更新時の認知機能検査で認知症のおそれがあると判定された場合、臨時適性検査の受検または医師の診断書の提出が義務付けられました(警視庁ホームページより)。 なお、平成26年度からは脳卒中や精神疾患など、事故に繋がる可能性のある病気になった方は、運転免許更新時に「質問票」への回答が義務付けられています。 |
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鶴岡市立湯田川温泉リハビリテーション病院 院長 武田 憲夫 当院では、平成23年10月にリハビリテーション課が中心となって「自動車運転再開マニュアル」を作成し、自動車運転免許取得者で、脳卒中、脳挫傷などで脳に損傷を来し、症状が後遺している患者さんに対して、自動車運転再開の可否を評価し、アドバイスを行ってきました。 そして、平成25年度からは、本マニュアルを大幅に改訂し、医師、療法士、看護師の多職種で協議し、自動車運転再開の可否を病院として責任を持って判断し、患者さん、ご家族に伝えるシステムを整備運用しています。本マニュアルでは、必要に応じて市内自動車教習所で、当院職員同乗の下、構内、路上の実地運転を行い、最終判断をしていますが、本自動車運転シミュレーター導入により、実地運転の前に、運転技術評価、弱点の洗い出し、模擬運転訓練などを行うことが出来るようになりました。これにより、脳病変による後遺症のある患者さんばかりでは無く、ご高齢の方に対しても、運転技術評価を行い、より安全性の高い運転技術の習得を目指した訓練が出来るようになる事が期待されます。 |
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